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October 06, 2011

こどもほしや月へうたうてゐる女

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―日々余話― 縮図

夜来の雨もあがって、すっかり青空、暑くなった。
午前10時過ぎ頃、中加賀屋商店街の入口手前の公園を通りかかると、
50代半ばころか、ひとりの男が、なにやら叩きつけるように、大声で口走っている。
 「病院に行けって? なんで行けるんだよ-」
 「金なんかあるもんか、仕事がねえんだよー」
周りに聞く者とて誰も居ないのだが、
お構いなしに、そんなことを何度も繰り返し、怒鳴り散らしている。
知らぬ顔で通り過ぎるしかないのだが、
ここにも現在の日本を映すような、
なんとも気の鬱ぐ光景-。

―表象の森―<日暦詩句>-46

  「鳥」  安永稔和
曇った空を
飛んでいると
よく知っているつもりの
遠い国のことがわからなくなる。
渇いた半分と
濡れた半分と
そのどちらの半分も
わからないものになる。
遠い町の生垣のことも。
遠い空のことも。
遠い心のことも。
わからなくなった
あげくのはて
私は曇った鏡のなかに
飛んでいる。
  -安永稔和詩集「鳥」-昭和33年刊-より


―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-249

9月15日、晴、時々曇る、満月、いはゆる芋名月、満州国承認の日、朝5時月蝕、八幡祭礼、肌寒を感じる。
昼、ばらばらとしぐれた、はじめてしぐれの風情を味ふ。-略-
酒壺洞君から、もつと強くなれと叱られた、たしかに私は弱気だ、綺語を弄すれば、善良な悪人だ。-略-
憂鬱な日は飯の出来まで半熟で。ますます憂鬱になる、半熟の飯をかみしめてゐると涙がぽろぽろこぼれさうだ。
朝魔羅が立つてゐた、-まさにこれ近来の特種!
夜、樹明兄来庵、章魚を持つて、-略-、しんみり飲んで話しつづけた、12時近くまで。
ねむれない、3時まへに起きて米を炊いだり座敷を掃いたりする、もちろん、澄みわたる月を観ることは忘れない。
  月のひかりの水を捨てる –自分をうたふ-
月並、常套、陳腐、平凡、こんな句はいくら出来たところで仕方がない月の句はむつかしい、とりわけ、名月の句はむつかしい、蛇足として書き添へたに過ぎない。

※表題句の外、10句を記す

10061

Photo/北の旅-2000㎞から―ランプの宿・森つべつ外観-’11.07.27

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