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February 27, 2010

犬を洗つてやる爺さん婆さんの日向

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-Information-<奥村旭翠とびわの会>は、いよいよ明日

-日々余話- 石川九楊の書論三昧

昼過ぎ、あべのベルタの市民学習センターで開催中の、KAORUKOが通っている書道教室-書玄会加盟-に集う子どもらの作品展を、観に出かけた。

殆どの作品が小学生のものだが、なかに中・高生のもちらほら混じる。高校生ともなるとさすがにそれなりの筆線をみせてはいるが、紙幅が等しなみに小さく限定されている所為もあるのだろう、なべて行儀のよいものばかり。

さて、月が変ってからは、まさに石川九楊の書論三昧。
ちなみに読書録を書き連ねてみれば、1日、田中純「アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮」をざっと読了、5日、石川九楊「日本語とはどういう言語か」読了、9日、石川九楊「書 - 筆触の宇宙を読み解く」読了、加えて「書の宇宙」シリーズの01~03巻、10日、新宮一成「夢分析」と石川九楊「書とはどういう芸術か -筆蝕の美学-」読了、11日、鹿島茂「パリの日本人」読了、13日、山崎雅文「バイタル・リアクト・セラピーが生命力を活性化させる」読了、15日、石川九楊「文字の現在・書の現在」と「一日一書 -01-」読了、16日、石川九楊「筆蝕の構造 -書くことの現象学-」読了、加えて「書の宇宙」シリーズ04と05巻、17日、「書の宇宙」シリーズ06と07巻、25日、石川九楊「一日一書 -03-」、加えて書の宇宙」シリーズ08~12巻をこの三日でほぼ読了、といったところ。

病嵩じてとうとう大部の「近代書史」を購うに至る。A4判760頁余で18900円也の高値だから、他書に手を出せないで、今月の購入はこの一冊のみ。これが届いたのが17日で、この質量ともに重い、実際手に取ると重くて大変なのだが、この夜から他書と並行しつつ、ぼちぼちと読み進めてもいる始末だから、まるで明けても暮れてもといった体なのだ。

-今月の購入本-
・石川九楊「近代書史」名古屋大学出版会
「中国書史」-96年-、「日本書史」-01年-に続く著者畢生の三部作掉尾の書、昨年の大佛次郎賞受賞。山折哲雄曰く、文字通り刻苦精励のたまものである。これらの仕事は「書」という問題をひっさげて、東アジアに広がる漢字文化圏の全体を睥睨する勢いを示している。その自信と覇気は尋常なものではない。-略-、明治以後のわが国の書が「近代」といかに格闘し、どこに表現の可能性を求めてきたのかを、柔軟な筆致で詳述している。冒頭に良寛の書をもってきて序論を展開しているのも秀逸であるが、最後に石川氏自身の書を掲げて創作の秘密を解き明かしているところには驚かされる、と。

-図書館からの借本-
・田中純「アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮」青土社
図像表現の細部に宿るパトスを一身に受けとめた美術史家アビ・ヴァールブルク。現在の美術史学や文化史研究に多大な影響を与えた彼の、狂気と知が交錯した思想と生涯を精緻に解読する。 01年刊。

・石川九楊「一日一書 -01-」二玄社
甲骨文・金文から近代の書まで、1年365日、選りすぐりのさまざまな文字の魅力、いわば書のタペストリー、02年刊。

・石川九楊「一日一書 -03-」二玄社
一日一書シリーズの第3弾、04年刊。

・石川九楊「筆蝕の構造 -書くことの現象学-」筑摩書房
電子メディアの登場は言葉の世界をどのように変貌させようとしているのか、ワープロやパソコンで入力された文章と肉筆で書かれた文章とのあいだの差異は? 書き言葉と話し言葉を分ける最後の一線に踏み込み、「筆蝕」という独創的な概念を駆使して、書くことの本質に照明をあてた画期的な論考、92年刊。

・石川九楊編「書の宇宙 -01-天への問いかけ-甲骨文・金文」二弦社
書をめぐるすべての根源的な問いかけに答えんとする石川九楊が編集、図版を縦横に駆使して「書の姿」それ自体が物語る宇宙を再発見する空前の試み、全24冊の第1、96年刊。

 以下同シリーズ「-02-人界へ降りた文字-石刻文」97年刊、「-03-書くことの獲得-簡牘」97年刊、「-04-風化の美学・古隷」97年刊、「-05-君臨する政治文字・漢隷」97年刊、「-06-書の古法・王羲之」97年刊、「-07-石に刻された文字・北朝石刻」97年刊、「-08-屹立する帝国の書・初唐楷書」97年刊、「-09-言葉と書の姿・草書」97年刊、「-10-伝播から受容へ・三筆」97年刊、「-11-受容から変容へ・三蹟」97年刊、「-12-洗練の小宇宙・平安古筆」98年刊

―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-33-
1月29日、降つて曇つて暖かい、すつかり春だ。

夕方、三八九第一集を持つて寥平さんを訪ねる、例の如く飲む、最初は或る蕎麦屋で、しかしそこはエロ味ぷんぷんだから、さらに一日本店で飲み直す、そして最後はタクシーで送られる。

寥平居で、重錐時計といふものを見た、床しい印籠も見た、そして逢へば飲み、飲めば酔ふた次第である。

※表題句の外、1句を記す

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February 25, 2010

暮れて寒い土を掘る寒い人

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-四方のたより- 恒例「琵琶の会」

今月の2日以来、なんと23日ぶりの言挙げ。
これまで1週間を空けたことは記憶にあるが…、04年の9月半ばからだったか、Blogを始めてより6年を数えようというに、こんなのは初めて。
身辺に格別の出来があった訳ではない、ただ、何故だか、ズルズルと今日に至ってしまった。とはいえ、このかた、ちょっとした倦怠というか、心中微妙な変調がなかったわけでもなく、ちょっぴり気鬱な日々だったような…、私自身にはめずらしいことなのだろうが、そんな感じ。齢の所為、かな…?

復帰のあいさつがてらに、写真のごとく、春のたよりとともに、奥村旭翠一門の恒例「琵琶の会」のお知らせ。

連合い殿の演目は「厳島の戦」とか、戦国の毛利元就と陶晴賢との合戦記。
周防国を中心に中国地方に勢力を張った有力守護大名大内義隆を討ち、大内氏の実権を握った陶晴賢に対し、安芸国から台頭著しく勢力を伸ばしてきた毛利元就が、歴然とした兵力差にも係わらず、狭い厳島の地の利を活かし勝利したという故事がタネ。

プログラムに眼を通せば、この演目と同様、源平の時代から戦国・江戸・明治まで、時代は移れど、ずらりと戦記物ばかりが居並ぶ。18演目のうち、そうでないのは「文覚発心」と「辨の内侍」くらいだが、どうして琵琶曲はこれほどに戦記物に傾くかといえば、古来からの平曲中心の盲僧琵琶が、明治維新以降の近代化の波に晒されつつ、折りしも日清・日露のナショナリズム勃興期において再生、その様式を確立してきたからだろう。

伝統芸としての琵琶、その命脈を将来に保ちゆくには、このあまりにも類型的な近代化様式の衣を脱ぎ捨てねばなるまいが、比較的に若い世代もよく集っている奥村一門なれば、そんな期待をかけたくもなるのだけれど…。

山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-32-
1月28日、晴、霜、ありがたい手紙が来た、来た、来た。

やつと謄写刷が出来た、元寛居を訪ねて喜んで貰ふ、納本、発送、うれしい忙しさ。
入浴して煙草を買ふ、一杯ひつかける。‥
生きるとは味ふことだ、物そのものを味ふとき生き甲斐を感じる、味ふことの出来ないのが不幸の人だ。
鰯三百匁10銭、14尾あつたから1尾が7厘、何と安い、そして何と肥えた鰯だらう。

※記載句なし、表題句は、前日の句

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February 02, 2010

握りしめるその手のヒビだらけ

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-表象の森-「チェ39歳別れの手紙」

昨日に続いてチェ・ゲバラ二部作の後編を観る。

S.ソダーバーグの描く映像はPart.1と同様に抑制の効いた平坦調だが、66年のボリビア革命闘争時に遺された「ゲバラ日記」に即しての進行は、ひたひたと忍びよる死の予兆を孕んで悲しくも重い。
実在のゲバラ像に、ひたむきに真摯に向き合った作品、といえるのではないか。

―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-31-
1月27日、晴れて寒い。

一杯やりたいが、湯銭さへもない。

※表題句の外、2句を記す

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February 01, 2010

いちにちいちりんの水仙ひらく

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-表象の森-「チェ28歳の革命」

キューバ革命のゲリラ指導者チェ・ゲバラ。映画は、56から59年の3年間に焦点を絞り、軍医のゲバラがやがて司令官となり、軍事独裁政権を崩壊させるまでと並行しつつ、64年12月に開催されたニューヨークでの国連総会におけるインタビューやスピーチをドキュメンタリー・タッチで描く。特にニューヨークにおけるシーンは、すべてバンド・カメラによる白黒映像で、いわゆるフェイクドキュメンタリー。

戦線の山野をゆく部隊の、数々のエピソードは、どこまでも淡々と綴られ、抑制の効いた画像が重ねられていくのだが、それだけに歴史の一齣としてのリアリティが沸々と立ちのぼってくる。

WOWOWの27日放送分を録画していたのを、今日の昼下がりに観たのだが、いい映画だった。

―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-30-
1月26日、雨、終日終夜、鉛筆を走らせる。

※日記本文記載なし、表題句の外、1句を記すのみ

どうやら日記を記す暇も惜しんで「三八九」誌会報の原稿書きに勤しんでいたらしい。

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